
通信速度が上がらないときはLANケーブルのカテゴリーを変えてみよう
LANケーブルは、ネットに接続するにあたって欠かせない部品ですが、比較的安価のため「何でもいい」と考えがちです。しかし、高速の通信回線を契約したり、最新のルーターを用意したりしても、LANケーブルだけ旧式の物を使っていると、思ったほど通信速度が出なかったり、接続が切れたりすることがあます。
ここでは、LANケーブルの種類やLANケーブルの自作方法についてご紹介します。
LANケーブルの種類と選び方
LANケーブルにはさまざまな規格があり、インターネットを使用する環境に合わせてLANケーブルを選ばなければ、通信速度が大幅に低下することがあります。
2017年現在、LANケーブルは6つのカテゴリー(CAT)に分かれています。
・CAT5(カテゴリー5)
伝送帯域 100MHz
最高通信速度 100BASE-TX(100Mbps)
・CAT5e(カテゴリー5e)
伝送帯域 100MHz
最高通信速度(理論値) 1000BASE-T(1Gbps)
・CAT6(カテゴリー6)
伝送帯域 250MHz
最高通信速度(理論値) 1000BASE-TX(1Gbps)
・CAT6A(カテゴリー6A)
伝送帯域 500MHz
最高通信速度(理論値) 10GBASE-T(10Gbps)
・CAT7(カテゴリー7)
伝送帯域 600MHz
最高通信速度(理論値) 10GBASE-T(10Gbps)
・CAT8(カテゴリー8)
伝送帯域 2000MHz
最高通信速度(理論値) 40GBASE-T(40Gbps)
伝送帯域とは、伝送に使われる最高周波数と最低周波数の差のことです。この幅が広いほど、単位時間に送られる情報量は大きくなります。もし、現在の通信速度に不満がある場合は、カテゴリー数値の高いLANケーブルに替えることで改善されるかもしれません。
現状では、「CAT8」が最上位クラスの規格であり、ノイズの影響をほとんど受けずに超高速のインターネット通信を実現することが可能です。現在、その速さに耐えられるモデムやルーター、端末はほとんど存在しないため、次世代の通信環境を見据えた規格といえるでしょう。
LANケーブルを自作するには
LANケーブル用の「ケーブル」と「RJ45コネクタ」を使用することで、LANケーブルを自作することができます。市販のLANケーブルを、家具の隙間などに通すときは、コネクタが邪魔になって通らないことがあります。その場合は、先にケーブルだけを隙間に通しておき、あとでケーブルの両端にコネクタを取り付けたほうが合理的です。
また、既成のLANケーブルでは長さが足りなかったり長すぎたりする場合も、自作することで必要な長さのLANケーブルを手に入れることができるでしょう。
LANケーブルの内部には、8本の導体(金属線)が組み込まれており、この導線を通して電気信号を送ることで、インターネット接続を可能としています。8本の導体は、それぞれ1本の線で構成されている「単線」と、非常に細い線がより合わされて1本になっている「より線」があります。より線仕様のLANケーブルは、軟らかくて取り回しがしやすいメリットがありますが、自作するときは作りやすさの面で単線が向いています。
<必ず必要な物>
自作用のLANケーブル
RJ45コネクタ
<あったほうがいい物>
ブーツ(コネクタを保護する部品)
かしめ工具(圧着ペンチ)
外皮むき工具
LANテスター
<作成手順>
1. 外皮むき工具でケーブルの外皮をむく
コネクタを保護するために「ブーツ」を使用する場合は、予めケーブルに通しておきます。外皮むき工具(カッターナイフやハサミでも代用可)を使って、中の導線を傷付けないように気を付けながら、ケーブルの外皮をむきます。
2. ケーブルにRJ45コネクタを差し込む
導線8本の先端を、よりを解いて1本ずつにして広げます。導線を正しい順番に並べ替えたあと、RJ45コネクタを奥までしっかり差し込みます。
なお、LANケーブルの規格では、コネクタ内部の結線の並び方を「ストレート結線」と「クロス結線」の2種類に規定しています。以前は、接続する機器によって「ストレートケーブル」と「クロスケーブル」を厳密に分けて使用する必要がありましたが、現在ではほとんどの機器で、どちらのLANケーブルでも使用できるようになっています。おすすめの結線規格は、T568Bのストレート結線です。
3. コネクタとケーブルを圧着する
コネクタが抜けないよう、かしめ工具でしっかりと圧着します。
4. コネクタにブーツをかぶせる
ブーツをかぶせることで、コネクタ部分に負荷がかかった場合の破損を防ぎます。また、ブーツを色分けすることによって、配線がわかりやすくなります。
5. LANテスターで導線のチェックを行う
LANケーブルが完成したら、LANテスターを使用してチェックをします。結線ミスをした場合は、この段階で発見することができます。LANテスターがない場合は、パソコンとモデムをつないでみて、通信が可能かどうか確認しましょう。導線がひとつでも端子に届いていなかったり、順番が違ったりすると、通信することができません。チェックの結果、問題なく通信できれば完成です。
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